Vertical SaaSで、産業変革に挑む!【ASCEND Stories下吹越勇人編】
アセンドで働く人たちの成長の軌跡を辿る「ASCEND Stories」。今回はマーケ・IS(インサイドセールス)メンバーの下吹越勇人です。
CSとして入社後、マーケ・IS機能の立上げを一から牽引し、今では昨年比で9倍のリード供給・5倍の商談供給を達成した下吹越。強烈に仕事に打ち込む彼の原動力に、代表の日下が迫りました。
「現状への許せなさ」を自分の活力に
―――今までの経歴や、歩みを教えてください。
東京外国語大学でロシア語を学んだあと、同大学院でパレスチナ・ガザ地区の研究で修士号まで取得し、その後新卒で飲食店向けのシフト管理アプリを提供していたスタートアップに入社しました。
アセンドにはYOUTRUSTでスカウトをいただいたことをきっかけに転職しました 。アセンドに興味を覚えたのは、業界変革の可能性を持つVertical SaaS(業界特化型のクラウドサービス)が好きだったから、そして社会課題を本気で解決しに行っている覚悟がある会社だと感じたからです。
―――ロシア語専攻から、専門を変えて修士まで行くのも素敵なキャリアですね。ロシア語を学んだ背景についても教えて下さい。
自分の中では「高二病にかかったから」と表現しています。「中二病」とは、要するに自意識が過剰になる現象だと思っていますが、高二病を僕の定義で言うと、社会に対する自意識が拡大し、社会に対して幻滅や反発の感情を覚えることだと思っています。
社会の現実を認められなくって、高潔さを求める中で、高潔さを説いていたトルストイにハマりました。トルストイの作品を原文で読みたいと思ったことが、ロシア語を学ぼうと思ったきっかけでした。
―――下吹越は「社会の問題」を素直に「自分の問題」として捉えることができる人だと理解していて、僕はそこがすごく魅力的だと思っています。トルストイが『戦争と平和』を描いたのは19世紀のナポレオン遠征の時代、そこから時を経て、まさに現代においてもアクチュアリティを持っていると思いますし。世の中はたくさん間違っていることあり、安易に現実に妥協するのではなく、問題を問題として真っすぐに捉えられる視点は是非持ち続けてほしいと思っています。そこからテロリズムや武力・紛争の勉強に移っていった経緯についても教えて下さい。
ロシア語はツールとして使えますが、それだけだとあまり面白くないと思い、法律の勉強を始めて出会ったのが紛争研究でした。テロリズムは当然起きてよいものではありませんが、起こす側の視点から研究してみると、そこにはテロリズムに至ってしまう背景や構造がある。
そこに追い込まれる構造がいかに生まれないようにしていくか、あるいはテロリスト・テロ国家の人命や権利がどう守られるべきなのかについて、研究していました。
―――下吹越は特に賞賛や評価を求めるのでもなく、黙々と仕事に打ち込んでいる印象があります。エゴや外発的な動機ではない強い内発性をそこに感じており、その気持ちはどこから湧いてくるのですか。
ヨハン・ガルトゥングの「構造的暴力」という概念を尊重しており、言葉や物理による「直接的な暴力」だけでなく、社会の作りから引き起こされてしまう暴力状態も、同じくらい問題視しています。
社会として不都合な真実から目を背けている、この「現状への許せなさ」がアセンドで働くモチベーション、軸のひとつになっていると思います。
物流は「経済の血管」と言われ日々の生活に欠かせない社会インフラです。それでいながら、賃金は低く労働時間も長い、矛盾に満ちた業界です。
また、現場では未だに手書きでの業務が中心で、手書きした内容を何度も何度も書き写しする作業を行っていたりと、とても非合理な状況にあります。業界の構造的な課題と現場の非合理な現状を変えていきたい、というのが大きいですね。
―――肉厚な話をありがとうございます。学問的な話だけでインタビューが終わってしまいそうなのでそろそろ仕事の話に進めていきましょう(笑)
0からBiz機能を作り上げる
―――入社時はCSとしてプロダクトへの関心も強かったと思いますが、アセンドが提供する「ロジックス」はどのように評価していましたか。
まず、エンジニアの質が高いことが印象的でした。エンジニアが業務について普通に語れるし、お客様が違和感なく確実に業務ができるプロダクトを作れている。入社前後で「柔軟帳票」という機能が開発されましたが、これは業務上必要な請求書等の帳票がどんなものでも出力できる仕組みです。
よくあるシステムだと、決まった形式で、しかも限られた項目しか出せません。そこに大きな違いを感じました。
運送業の現場は、システム的に見ると無駄に見える業務もあります。 ただ、お客様が本当に回さなきゃいけない業務、物事の必然性や構造をちゃんと受け止めながら、プロダクトを作っていることを感じ、「これは本当に業務に根付くものになるな」という感覚を持つには十分でした。
―――そこから急遽マーケ・IS組織の立上げに移行していくわけですが、そこまでの変遷を教えてください。
入社してまず思ったのは、「Biz組織が本当に未熟だな」ということでした。営業リストもなく、展示会に出たり、講演会で名刺交換はしていても、ほぼ後追いもできていない。
要するに、「大きい夢に対して基盤となるものが何もない」状態でした。ただし、「大きい夢に対してすごく共感をしてくれている人はいる」ということも、想像していた以上に強いという印象も同時に抱きました。
そこからは自分で営業リストを作り、アポ取りも自分で勝手に始めて、数値計画のヨミから実績管理までの基盤を作り、展示会のやり方のテコ入れして改善を始めてと、CSで入社したはずなのにBiz機能を一から作り上げていくことが最初の仕事でした。「運送会社をDXする会社のはずなのに、まずは自社の営業DXからやん」と思ったことは鮮明に覚えています。
―――本当にすみませんでした、そして色々とありがとうございました(苦笑)。ちなみに、どのようなところを見て「大きい夢に対して共感してくれている」と感じてくれたのでしょうか。
例えば、とある県のトラック協会の前会長さんは、以前は物流DXには完全に反対の立場でした。「うちの県では絶対無理だ」「カタカナ語を使われても私には絶対分からない」とずっと言われ続けていたと。
でも、今では180度違う態度で我々のことを応援してくれています。実際、オンボーディングを兼ねてその県の研修会に日下と同行しましたが、夜の会食を含めて本当に業界の未来について熱く語っているシーンを目の当たりにしました。その繋がりを起点に、その県では製品導入の輪が広がり、ご縁のつながったお客さんも随分たくさんいらっしゃいます。
Vertical SaaSで、産業変革に挑む!
―――業界変革、産業変革というところに意識を向けると、そこにどう今後チャレンジして向き合っていきますか?この仕事にどういう可能性を見ていますか。
Vertical SaaSは業務とデータ、業務をやっている人同士が繋がっていくというのが特徴であり、会社改革という目線で仕事を捉えられるのが非常に面白いと考えています。
HorizontalなSaaSでも業務が楽になるという点はもちろんですが、Verticalだと業務の全面に入り込む形になるため、業務が自然と再設計され、また各部署・業務担当のコミュニケーションの方法すら変わっていきます。それが、ひいては会社改革につながるのだという実感を得ています。
まずSaaSが入っていくことで業務自体が標準化されていく、その上で、業務から生まれてくるデータがきれいになっていくことで、他の業務、あるいは荷主に対してデータ活用が波及しやすくなる。これが業界に広がっていくと、自社の経営改善だけでなく、物流業界全体に良い影響が生まれ得る可能性があると考えています。
特に物流は、Vertical SaaSの残された領域のど真ん中だと思っています。飲食や医療はコロナ禍でDXが進んだ業界です。一方物流は蔑ろにされてきて、現場の人達のITリテラシーも高くはなく、変わる余地が無限に残っている。
業務改善の先に、人の働き方や関わり方という会社改革が見え、それが業界のスタンダードになっていくことを通じて、ひいては、業界変革を狙えるというところがVertical SaaSのダイナミズムであり、面白さだと思っています。
業務改革と会社改革を越えて、産業変革を主導していく、業界から期待されている「大きな夢に向けて」全力で走り切るぞと、日々気合を入れて頑張っていきたいです。
0→1フェーズを共に楽しみ、産業変革を目指す仲間を募集しています!
──最後に、これからアセンドに入社を検討頂く方に向けて一言お願いします!
物流業界は様々なしわ寄せを受け続けた業界だと、私は思っています。ただし、しわ寄せが生まれるにも構造がある。その構造を歴史的経緯を含めて受け止め、理解し、変えていくプロセスをご一緒できればと思っています。
ISもマーケも0→1のフェーズにあり、「予算達成し続けられる仕組み」を作っていく過程にあります。Bizのサイエンスに、物流業界という複雑極まりない領域の掛け算が、無限に広がっています。
Vertical SaaSを通じて、顧客と業界を愛し、一緒に産業変革を成し遂げて行きましょう!