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「能動的な黒子」として周囲を支える【ASCEND Stories加藤隼斗編】

アセンドで働く人たちの成長の軌跡を辿る「ASCEND Stories」。今回はコンサルティング事業マネージャーの加藤隼斗です。

4人目社員として創業初期からアセンドを支える加藤。「能動的な黒子」として周囲を支えていきたいと語る加藤の成長を代表の日下が聞きました。


明るい未来に向けた仕事をしたい

──まずはアセンドに入社するまでのキャリアについて教えて下さい。

PwCアドバイザリー合同会社のフォレンジックサービスという部門で働いていました。フォレンジックというのは、不正疑惑や情報漏洩等、企業に何かしらの問題があって、事実関係の総合的な調査と報告書作成及び事後対応のプランニングをする非常に短期間で行う仕事です。既に問題がある状態で案件がスタートし、いかに飛び火を避けつつ、事態を沈静化させるかの筋道を描く必要があり、自分たちミスによっては上場廃止等の可能性すらある、非常にプレッシャーのかかる仕事でした。このような案件を数多くこなしてきたため、ハードワーク耐性やエグゼキューション力については一定の蓄積があると思っています。

PwCには6年半ほど在籍し、PEファンドか事業会社の経営企画部への転職を考えていました。仕事はとても楽しくやりがいもありましたが、プロジェクトベースでさっと集まってはさっと解散する、傭兵部隊のような働き方をしてきて、「こういう短距離走を一生繰り返すのか?」「これを続けていった先に『幸せな仕事人生』はあるのか?」と自問する機会があり、長い時間軸で未来を明るくしていく仕事にエネルギーを注ぎたいと考えるようになりました。

PwC最終出社のオフィスにて

──そこからアセンドに入社する経緯についても教えて下さい。

実は代表の日下とは新卒研修グループが一緒だった以来の長い付き合いでした。元々日下が主宰していた週末の勉強会にも参加していて、そこで起業の話は聞いていました。まさか自分が誘われるとは思っていなかったですが。

ちょうど転職活動を始めた2020年の終わり頃、やたらとしつこく日下から食事の誘いが来て、当時アセンドのオフィスだった日下宅近くの街中華に行きました。「3500万円資金調達したから贅沢をして3500円のフカヒレを頼もう」という話になり、四等分した小さいフカヒレを食べました。

食事が終わったタイミングで日下から「これは初めての会社経費での会食だから加藤は実質的にアセンドのメンバーになったということ。仕事内容は決まっていないけど加藤なら何とかなる」と、よく訳の分からないオファーを受けました。

──確かによく訳の分からない論理ですね(笑)。しかもちょうどそのころ結婚したばかりだったと思いますが、迷いや心配、家族からの反対などはなかったのでしょうか。

自分のなかでの葛藤は、実はほとんどなかったです。自分ならある程度はどこでもやっていけるという自負と、明るい未来に向けて走りたい気持ちが強かったからだと思います。アセンドを選んだのは、「一緒にいて、気持ちよく楽しかった」という感情が一番強いです。ずっと付き合ってきたこいつらが本気でやると言ってるんだから、自分が乗らない手はないと。一応妻に確認したころ、「うん、いいんじゃない!」と3秒で快諾してもらいました。

インタビューの風景

執行役員への挑戦と失敗

──アセンドでの仕事内容についても教えて下さい。

 主には、予算計画の立案や資金繰り、それから国交省がクライアントとなるような業界の調査分析の仕事など。他にもクライアント向けのダッシュボードの提供やプロダクト導入後のカスタマーサクセス(導入支援)等々、コーポレートから事業側までかなり幅広く担当していました。

「良い転職をするには、片足だけずらした仕事をしろ」と言われますが、半分は培ってきたスキルの継続性を持ちつつ、半分はチャレンジ領域にするのが正攻法ということだと理解しています。しかし自分にとってアセンドの仕事は、ベースの素養となる腕力だけはあるものの、スキルとマインドの両足ともずれていて、「必死にキャッチアップしていきながら、できることを探して走り回った」という感じでした。

──「加藤の仕事内容は『加藤』」と社内でも言われるくらいに幅広い領域を担当してもらっています。2022年頃からは執行役員を目指す挑戦もしていますが、その時のことも教えて下さい。

日下からはVP of FinanceかVP of Corporateあたりのどこかまとまった領域に張って役員を目指してくれと言われていましたが、スキルとマインドの両面で高い壁がありました。

コンサルティング経験はあったものの、アセンドの場合は中央官庁から荷主や運送会社まで顧客の属性も多岐に渡り、案件の内容もマクロな調査や戦略立案から足元の実行まで多様な性格のものが多いです。また、コーポレート業務に関しても、コンサルティングとして事業計画と事業会社の担当者として作る事業計画は内容も粒度、管理体制も大きく異なり、人を巻き込みながら進めて行かなくてはいけません。

結局、前職で鍛えてきた力は「1人でなんとかする力」だったんですね。それがリソースが少ない中で幅も広く質も高い仕事を求められると、必然的に「周囲を巻き込みチームで取組む力」が求められることになり、仕事の進め方を大きく変えなくてはいけなかった。しかもVP候補としての期待値も大きく、そのギャップに苦しんでいたと思います。

2022年の全社合宿にて話す加藤

──当時は育成や権限移譲についても手探り状態で多くの苦労をかけたと思います。2022年の終わりには執行役員チャレンジを諦め、降格も経験したと思いますが、その時のことはどのように考えていますか。

よくよく考えれば、コーポレートは、職能が多岐にわたる専門家集団で、法とルールのプロフェッショナルな世界なわけです。今は細かいところはそれぞれのプロフェッショナルに任せて、彼らが会社に対して歩調が合ってるかどうかをだけを確認していますが、当時は「全部自分の責任」という想いで仕事をしていて、それがとても辛かったです。

一方でコンサルも、それまでの「自分でなんとかする」というプレイヤーとしての動きから、プロジェクトマネージャーとしての動きへの挑戦でした。プロジェクトマネージャーは、クライアントの期待値マネジメントをしながら、チームでクロージングまで持っていく責任がありますが、そこのロールに挑戦するのもアセンドが初めてでした。

そのような状況の中で福岡出張の際に日下から「執行役員チャレンジ、やめようか」と切り出されたことを覚えていますが、今だから正直に言うと、「よかった……」という気持ちでした(苦笑)。期待に応えられなくて申し訳なかったという気持ちはもちろんありますが、問題は、スキルよりも、プレースタイル・マインドセットが変えられないというのが悩みだったので。そこで「育成もチームもいい、自分のデリバリーに一旦集中しよう」と切り出してくれて、本当に楽になりました。

プレイヤーへの回帰を経て、「能動的な黒子」という役割の発見

──プレイヤーに集中するという意思決定をしてからは、却って相談も上手になったように見ています。今後を含めてアセンドではどのような役割を担っていきたいと考えていますか。 

執行役員チャレンジでの学びの一つは、「できないこと」がわかった、という点です。明確に自分の得手不得手と、「諦める領域」と「投下する領域」が見えてきた感じがしています。自分は「できる・できない」が極端な人間なので。

今後については、少し抽象的な言い方ですが、色々なところで「橋渡し」ができる人間でありたいと思っています。自分は、ゼロイチではなく、1→10、10→100の方が得意なタイプだと思います。ゼロイチの人間が旗振り役として突破していった後を追いながら整合性を取って、みんながついていけるよう支えていくのが自分の役割かなと。仕事のスタイルとしても、ポジティブの加点を稼ぐより、ネガティブを消すことにやりがいを感じる人間です。そういう意味で、今は「能動的な黒子」という「戦闘力の高いサポートタイプの存在」を目指したいと思っています。

職種横断的に色々なロールを負っていることもあり、エンジニア~セールス間や、事業~コーポレート間で落ちているボールに気付くこともできます。最近、プロダクト事業がようやく立ち上がってきた実感がありますが、事業が伸び組織が大きくなってくることで、必然的に狭間に落ちるボールや組織間での軋轢など、多くの問題が生じてくると思います。

自分はガンガン前に出て周囲を引っ張るタイプではありませんが、黒子としてただボールを待つのではなく、事業や組織の課題に常にアンテナを張り、狭間に落ちそうな重要課題を能動的に解決していく、そのような存在としてみんなを支えていきたいと考えています。

案件クローズの際の写真@北海道

仕事は人生の大事な一部。スタートアップならではの変化を楽しめる仲間を募集しています!

──最後になりますが、これからアセンドに入社を検討頂く方に向けて一言頂けますでしょうか。

大企業と比較するとスタートアップの変化は目まぐるしく、事業や組織の変化を本当に肌で感じる事ができます。これは仕事を人生の中の大事な一部と考えている人にとっては想像するよりも感情を揺さぶられる体験になると思います(私は実際、会社のモデルを更新していて毎回ワクワクするしビビります)。

アセンドは会社の機能として必要な人間を適切に評価し引き上げてくれる素地ができています。私のような裏側のスキルに得意領域がある人間を正しく評価し組織に組み込むことができている点からもそのあたりは汲み取っていただけるのかなと思います。スタートアップでありながらしっかりと人事制度も作り込まれているので、選考の際には是非ご質問いただけますと幸いです。一緒に業界変革に挑戦していく方のご応募をお待ちしております!

インタビュー・編集後記

今回は創業メンバーの一人である加藤隼斗のインタビューでした。「加藤の仕事は『加藤』」と称されるように、コーポレートから事業まで、事業の中でもCSからデータ基盤、コンサルティングに至るまで非常に広い職務領域を担当しており、加藤は「日下の右腕」とも言える存在です。
そんな加藤ですが、入社からの歩みは決して平坦なものではなく、多くの苦労と挫折を踏まえて歩んできた人間です。その中から彼が見つけ出した答えの一つが「能動的な黒子」と言われる役割です。それは、「黒子としてただボールを待つのではなく、事業や組織の課題に常にアンテナを張り、狭間に落ちそうな重要課題を能動的に解決していく」存在です。
事業が伸び組織が拡大していくからこそ、黒子として控える人間の主体性と強さが組織の基盤を支えていくことになります。「戦闘力の高いサポートタイプの存在」が、アセンドの強みであることを再認識させてくれるインタビューでした。

日下瑞貴