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今日よりもっと良い明日を。ITツールがリードする、創業72年の運送会社の業務の新しい形とは

福島県会津若松市に本社を置く會津通運株式会社は、創業から72年を数え、福島県内に2ヶ所の営業所を構え、トラック輸送・JRコンテナ輸送・倉庫業と、手広く物流事業を展開しています。常に新しい挑戦を求める社長のもと、どのような経緯でITツール「ロジックス」の導入に踏み切ったのか。また導入後に社内で感じた変化や生じた効果について、取締役の五十嵐様にお話を伺いました。


一緒に発展していけそうなパートナーとしてアセンドを選んだ

──弊社や弊社製品のロジックスを知っていただいたきっかけを教えてください。

五十嵐様、以下敬称略)2年ほど前になりますが、今後の事業拡大を見据えて、アナログ業務を脱却してデジタル化を進めたいと考え、デジタコを一新したり基幹システムを導入することを検討していました。基幹システムについては、業務毎に各々独立したシステムを選ぶのではなく、クラウド型でメインハブとなるものを選びたいという想いも持っていました。そんな時に全日本トラック協会のホームページで日下社長のDX講座を見かけ、連絡をとってみたのがきっかけでした。
 
──全ト協のホームページは、よくご覧になっているのでしょうか?
 
五十嵐)弊社の社長が新しいものが好きで、情報を取りに行くことを重視しているので、なるべく定期的に見るようにしています。何事も「やらなければ」ではなく、「先んじてやる」というスタンスを重要視する経営者なので、そういう意識が浸透しておりまして。DX講演を見てお問い合わせをしたら、皆さんで雪のなかお越し下さって、当時デジタコも含めて5〜6社比較検討しましたが、そのままアセンドさんに決めたという感じでした。

インタビュー中の五十嵐様

──弊社を選んでいただけた決め手は、どのようなところだったのでしょうか。
 
五十嵐)総合的にご相談できる相手である、ということでしょうか。その頃、システムを一新したい気持ちとは別に人事制度も新しくしたくて、そちらは社長が自ら素案を作っていたものですが、なかなか完成せずにいる状態でした。その壁打ちコンサルもお願いできる会社だったことは、ひとつあります。それから、将来性ですね。ロジックス自体は始まったばかりだけど、ビジョンを聞かせてもらい、これは一緒に発展していけそうなパートナーだなと思えたことです。

システムの導入によって、業務フローが理想的な流れに変わった

──実際に導入してみて、いかがでしょうか?
 
五十嵐)ロジックスは、配車から請求、車両管理で活用していますが、導入したことで、情報を入れる順番が自然と変わりました。運送事業者の業務フローは、「荷主からの受注(案件登録)→配車計画の作成→乗務員の運行→事務方による実績情報の入力を経て、荷主に請求書を発行する」という流れですが、元々は、細かい情報は配送を終えてから、高速代なども含めての確定された実績情報をもとに、事務員が入力を行う流れになっていました。そこでゼロから入れていくという具合です。

 でもロジックスを活用すると、よくある案件はコースマスタとして設定することで、さっと入力することが可能なので、配車を組む前にロジックスに案件情報を入れていく文化が根付きました。業務フローの冒頭のところで情報がロジックス上に載ると、その後工程にいる人は、新たに追記すべき情報を付加していくだけなので、ぐっと業務効率化にもつながります。
 
また、カレンダー機能を使って瞬時に終わるので、配車自体も楽になりました。車両管理機能も活用しておりますが、3ヶ月毎の車検の予定を登録しておくと、車両点検の予定と突合する工数なく、その日に利用可能な車両で配車が組めるので、とても便利ですね。

ロジックスを利用した業務の様子

業務の属人化が薄まり、職種を超えた挑戦を後押し

五十嵐)また、ロジックスを導入したことで、それまで担当者間で分断されていた情報が共有されるようになり、仕事の光景が変わりましたね。たとえば、以前は配車担当だけが知っている情報というのがわりとあったのですが、今ではみんながロジックスを使って業務をしているので、自然と横断で情報をシェアでき、あえて尋ねることもなく、知りたい情報を容易に把握できるようになりました。

例えば、これまでは、請求書の処理など、主に完了した仕事の情報を取り扱う立場である事務方にとっては、未来の仕事の予定の話は一切わからない話だったので、ドライバーから次の業務確認の電話が来ても、配車担当が話し中だと、すぐには答えられないということもありました。ですが今では、進行中の案件含めて誰もがロジックス上で情報を閲覧することが可能になったので、パッと返答することが可能です。

社内でも、どんな業務をしているかによってロジックスから落としたいデータが違うのですが、いつもと違うものが必要となっても、簡単に一元管理されている場所から欲しい形で取り出せるようになったことは大きなメリットと感じています。
そうすると、職種の垣根を超えて事務所内のいろんな業務に手が届くようになるのですね。これは積極的に人を育てていきたいと考えている弊社の思想にも合致しています。経営の観点からは、スケールを利かせた経営を目指して会社を大きくしていきたいと思っているのですが、それには定型業務だけをやれる社員ではなく、手広く様々なことができる人間がいることが欠かせません。

一例として、それまで事務方を担ってくれていた社員が、点呼までに仕事の幅を広げていくケースも見られます。そこでも、これまでは配車担当の頭にしかなかった情報を頭の中に入れた行動できるので、「今日は〇〇の便が大変だよね」というような、相手の状況を慮る一言をかけられたり。これまでは配車担当が点呼をやるときにしかそういったコミュニケーションは生まれなかったのですが、相手の状況への解像度が上がり、社内の相互理解が深まった結果として、社員間のコミュニケーションにもそんな変化が見られるようになりました。

インタビュー中の五十嵐様

業務を共有することで、有給も取りやすい職場へ

五十嵐)また、「なんとか仕事が回ればいい」ではなく、業務改善をしていかないとね、という意識も高まったように感じます。業務が属人的な頃は、明日は子供の入学式だから今日のうちにまとめてやってしまい、明日は自分がいなくてもなんとかなるようにと、休む人が工夫を重ね、残業をして業務を回してきました。でも、今は属人化が減って、誰でもどこの業務でも、できることを目指しているので、いつでも気持ちの負担なく休みを取ることができるようになってきました。有給もちゃんと取りましょう、そのために業務をシェアして、みんなでやろうという雰囲気になってきたので、働きやすくはなったのではないかと思います。

──古い慣習の業界にシステムを導入するというのはなかなか難しい面もあるかとも思いますが、社内からの反対や拒否反応などはなかったのでしょうか?
 
五十嵐)それが、社内からの拒否反応はびっくりするくらいなかったんです。私たちより、強いくらいに「やらなくちゃ」って思ってくれて、推進に苦労するということはなかったですね。役職が高い者より、実務を担当している者の方が現場のことを考えてくれて、より使いこなせるようにと、一生懸命頑張ってくれました。
 
──人事制度も策定し、システムも一新してと、大きな挑戦をした2年間だったかと思いますが、振り返っていかがでしょうか。
 
五十嵐)人事制度も、DXと同じで、モノを作って終わりではないと感じています。まだ運用をし始めたところなので、PDCAを回しながら、日々に落とし込んでいくことが肝要と感じています。制度を作るという言語化を経て、いったん山を見せることはできたと思うので、ここから社員と一緒にしっかり登っていきたいと思います。それから、これは最初からずっと思っていたことなのですが、アセンドさんはごくごく一般的な取引先とは距離感が違う会社だなと感じます。もう少し内側に入ってきて、実際に寄り添ってくれているというか、「これはこういうもんですから、仕方ないんです」ではなくて、やりたいことをうまく吸収して、うまくロードマップにして見せてくれる、その取り回しがお上手ですね。ロジックスについては、今でも業務が楽になってありがたいと感じていますが、まだまだここからの製品と思っているので、引き続きの進化をおおいに期待しています。
 
ロジックスに期待しているのは、車両管理や請求管理という部分的な機能ではなく、運送会社の基幹システムを超えたDXなので、少し期待が高いかもしれませんが、遠くない未来に私達の期待を超えてくれると信じています。

(取材・文 / アセンド編集部)