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不可能だと思っていた配車表をデジタル化。複数帳票の発行が可能に

富山県にある、明治30年創業の荻布倉庫株式会社。90名近くの従業員を擁する社内の唯一のIT技術担当者として、社内DXを推進する立場の宮内様に、ロジックス導入の背景や、導入後の体感などを伺いました。


ITベンダーでは断念した配車表のデジタル化を実現

── ロジックスを導入いただくことになったきっかけや、活用方法について、教えてください。

宮内様(以下、敬称略):
弊社は運送と倉庫業を営んでおりますが、ロジックス導入のきっかけは、運送の担当者がいつも遅くまで残っているのはどうしてなのだろう?と、業務プロセスを見直そうとしたところからでした。

ロジックスの活用方法は、主に案件登録から配車表の作成と、それにまつわる事務処理のすべてです。導入以前は、配車係が配車メモを手書きで作成し、最終化したものをエクセルに清書する形で作成していたのですが、入力が二重の手間になっていました。また、受注した案件を、それぞれのステークホルダー(荷主・ドライバー・傭車先)が求める帳票に変換して発行する必要があり、そこにも二重・三重の加工入力コストがかかっていました。加えて月次のまとめ書類で別途資料を作るのですが、上記で話してきたようなデータが連動して活かされるということがまったくなく、そこでまた工数がかかってしまうという状態でした。一番の問題は、現場がそういう回し方を改善すべきと思わず、これが最適と思い込んでいることが課題でした。

──運行管理業務を効率化する上で、他の製品を試したことはなかったのでしょうか?

宮内:
ありませんでした。弊社は、半世紀くらい業務手順を何も変えていない業務も多くて、最近は、勤怠管理などを、紙とハンコからデジタル化するなどしていますが、業務に関わる面にはなかなか手を入れづらくて。一度、運送管理業務のデジタル化をできないかと、ITベンダーさんにご相談をしたことがありましたが、要件定義の段階で話がまとまらず、「配車表をデジタルにするのは無理だろうな・・・」と、立ち消えになってしまっていました。
 
それから、運送会社の現場というのは、大変に対応力が高いのです。人が気を利かせて突発的なことに対処をしたり、カバーをしているから、こんなことは人間にしかできないんだと、どうしても考えがちという側面もあります。

──ロジックスを知ったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

宮内:
弊社も加盟している、全日本トラック協会青年部会の代表幹事(北陸信越ブロック)の方の紹介でした。私はITエンジニアとして、社内のDX化を担当する人間なのですが、アセンドの日下社長と話をしてみて、「DXというものに対する考え方が、的を得て筋が通っているな」と感じました。言葉だけで言っているのではなく、一緒にシステムを作っていけるかもと感じられたことが、試験導入をしてみようと思ったきっかけでした。

数字が社員の関心事に。定年間近の社員からも、「使いやすい」と好評

──導入してみて、どんな変化がありましたか?

宮内:
事務担当は、シンプルに業務効率化が実現でき、事務担当者は、毎日30分早く帰れるようになったと喜んでいます。配車担当は、従来ドライバーや車両の予定を見ながら紙とペンで組み立てを考えた後にエクセルに清書する形で最終化していた配車計画を、ドライバーと車両の予定が視覚化されている配車画面を見ながらロジックス上で配車計画が組み立てられるようになり、配車にかかる手間が軽くなったと喜んでいます。また、自分の入れた情報が、そのまま経営分析につながるので、業務が面白くなったとの声も上がっています。

不思議なもので、自分の仕事の先が見えると、どんどん改善意見が出てくるんですね。短縮した時間以上の効果が、社内の状態変化では見られています。例えば、弊社の給料体系は歩合制ではないので、ドライバーが案件ごとの数字を把握することにメリットはないのですが、ロジックスを導入後は「俺って、何キロ走って、どんな売上になったの?」と、事務担当者に聞いたりするようにもなりました。

──それは大きな変化ですね。ロジックスは、社内で何名くらいの方にご活用いただいているのでしょうか。

宮内:
現在は、配車担当と事務担当と私の3名ですが、さらに2名ほど追加する予定です。定年が近い者もいるので、定年後の担当者への引き継ぎを兼ねた追加と、あとは配車担当の休日に、代わりの者が業務が滞りなくできるように、もう一名の追加使用と考えています。いちばん若いのは40歳の私ですが、50代後半の者も活用しています。

ロジックスを使い業務をする事務員女性

低コストで標準的な運送管理業務のデジタル化をしたい企業にこそに勧めたい

──新しいシステムを導入するにあたって、反対意見などはなかったのでしょうか?

宮内:
ありましたね。事務担当者だけではなく、現場のドライバーも、自分のところに来る帳票のレイアウトが慣れ親しんだものから変わるのが嫌だという意見がありました。「これまでこれでやってきていて、『これが一番いいんだ』という固定観念みたいなものがあったのだと思います。受け入れてくれたのは、実際に画面を見て、「文字がちゃんと大きい」、「これならグラフが確かに見やすい」という実感を持ってくれた時ですね。運送業界は高齢な働き手も多いので、文字が大きいとか、画面が見やすいとか、そういうことも大事なんです。トライアル期間が終了するときに、一度社内で業務効率化の効果検証を行いましたが、案件登録・運行管理の機能分だけでも明確に時間短縮と意識変革につながっていた状況から、すみやかに継続使用が決定しました。今後は、請求機能もロジックスを使って対応をしていく予定です。

──他の運送会社さんにLogiXを勧めるとしたら、どんな会社に勧められますか?

宮内:
今から運送業を始める会社には、ぜひおすすめしたいです。予算を抑えて、導入がしやすく、運送会社として一通りの標準的な業務がカバーできる機能を揃えているから、これから業務を組み立てる会社さんには特におすすめです。40台くらいトラックの保有台数があれば、価値は十分に感じられると思います。

ロジックスの導入で、業務の属人化問題も解消


宮内:
また、標準的なツールとして、仕事の属人化を避けられる副次的な効能もあるので、「誰かの業務がブラックボックスになってしまっている」と感じている会社には推奨したいですね。社員の定年などで、事業継承も楽ではないと思うのですが、そういう時の引き継ぎもしやすくなると思います。弊社でも、来年定年の者がロジックスを活用して配車業務をしていますが、これから引き継ぎ予定の社員も一緒に使用し、習熟していく予定です。

──最後に、ロジックスや、アセンドに今後期待することについて教えてください。

運送業界を引っ張っていく存在だと思っています。デジタコ連携や、スマホGPS連携も早期に実現してもらうことで、より入力負担を減らした状態の実現を期待しています。こちらとしては、「あれも、これも」となりがちなのですが、アセンドのプロダクトマネージャーは進むべき道筋をまとめる能力が高く、こちらの要望に対してロジカルに優先順位を決め、実現に向けての道筋を見せてくれるので、とても信頼しています。

会社としても、何事も「やらない理由」ではなく、「やる理由」を考えてくれる会社なので、会社としてのやる気を感じて、とても頼もしいですね。

荻布倉庫株式会社の社長。弊社オフィスにご来訪くださった時の一枚

(取材・文 / 上原里菜)