運送業界を夢と活気のある業界にしたい。【ASCEND Stories奥村昭仁編】
アセンドで働く人たちの成長の軌跡を辿る「ASCEND Stories」。今回はセールス/CSメンバーの奥村昭仁です。
6人目の社員として、営業未経験で商社からアセンドに飛び込んだ奥村。運送業界に対する熱意と生来の勤勉さで、今ではロジックスの営業を牽引するまでに。そんな奥村の成長の軌跡を代表の日下が聞きました。
運送会社の父親から離れたい
──はじめに、自己紹介をお願いします。
実家は愛知県で運送会社を営んでいて、車両数も110台くらいと地域ではわりと大きな規模です。家庭もそれなりに裕福で不自由なく育ててもらったのですが、父親はいつも仕事で忙しくて、小さい頃、父親と遊んだ記憶はほとんどありません。家族旅行に行ったのは僕が覚えている限りたったの2回しかないのですが、その内の一回も従業員の交通事故の対応で家族時間が潰れてしまい、寂しい思いをした記憶があります。
運送会社というのはどんなに気をつけていても事故のリスクを伴う仕事です。その度に謝りに行く父親の姿を見て、「父親は何でこんな大変な仕事をしているんだろう、自分はやりたくない」と、子供心に思っていました。運送会社の父親からとにかく離れたいと、関西の同志社大学に進学をしました。
──社会人になってからは、どんなキャリアだったのでしょうか?
あの頃は「父親みたいな仕事はしたくない」という気持ちが強かったので、それと対照的に見えたグローバルな仕事、大きな仕事を志して商社に入りました。
でも、25〜26歳の頃、自分の考えを改めるきっかけとなった出来事が続きました。一つは創業者だった祖父の死です。社葬をしたのですが、地域の人も含めて300人ほどの方が参列してくれて、自分がずっと否定してきた仕事には、大きな価値があったのかもしれないなと、ハッとさせられました。
二つ目は、その頃親と食事をして、お互いの人生について人生で初めて親子で話し合ったことです。なぜこんな大変な家業を継いだのか、はじめて聞いてみたんです。父親は元々高校の英語教師だったのですが、「教師の仕事を辞めたくなかったし、今もずっと苦しいけれど、160人の社員とその家族を守ることだけを考えて今までやってきたんだ」と熱く語ってくれました。父親の言葉を聞いて、僕の中に父親への尊敬と敬意が芽生え、自分自身も父親の会社や物流業界に貢献したいと思うようになりました。
幼い頃から「自分が一番嫌なことだったこと」だった物流が、一生のテーマになった瞬間です。将来的に家業を継ぐことを決めましたが、まだまだ父親も頑張れる年齢なのもあり、「物流業界の未来をよくすることを本気で考えていて、自分が圧倒的に成長できる会社」に転職しようと決めました。
会社のミッションと人生のミッションの重なり
──物流業界のなかでも、アセンドに決めた決め手はどこだったのでしょうか。
友人の紹介経由でアセンドに出会い、代表の日下に話を聞いた時、「運送会社は、インフラ産業に近いモデルで管理会計の必要性が高いが、基幹システムが脆弱であるが故にデータを活用できず、それが不平等な力関係と構造的な負を産み出し続けている。アセンドは、この構造自体を覆したい。荷主サイドからではなく、運送会社を起点にしないと物流業界は変わらない」と力強く言っていて、それが自分が常々実感していたこととぴったり重なったんです。父親からよく聞いてきたこと―――荷主の影響が大きくて、自律的に動くのが難しいこと。データもないから経営の素人には判断がつかないこと。システムを利用したくとも、ITに疎く良いシステムもないこと。
そういう「悩み」を聞いていて、「なんでこんなに立場が弱いのだろう」と憤っていたことのすべてが腑に落ちた。こういう思想で事業をやっている会社はここしかない、絶対にアセンドに入りたいと思いました。会社のミッションと、自分の人生のミッションが重なって見えたからです。
──最初にオフィスに来てくれた時はまだマンションオフィスだったと思いますが、どんな印象でアセンドを見ていましたか。
スタートアップなんだけど、全然ちゃらちゃらしていないのがいいなと思いました(笑)。創業者メンバーの5人が本当に真面目で、結束感があって、「こんなに優秀で若い人たちが物流業界のためにここまで頑張っているって、マジか!?」と、強い感銘を受けたことを覚えています。
「契約してくれるまで来ます」、セールスとしての開花
──CS(カスタマーサクセス / 導入支援担当)として入社したものの、今では営業としても大活躍してくれています。このあたりの変遷はどう振り返りますか。
入社1年間は社長の日下とCS責任者の森居に張り付いて仕事していたのですが、1年ほど経った時に、日下と一緒に行くはずだった鳥取出張で、日下が来れなくなり、急遽自分一人でやるしかなくなったことが、軌道を変えた出来事だったと思います。当時は「嘘だろ、初回商談、俺一人で行くのか」と焦りましたが、そこから「意外とできるかもしれん」という感触を得ていきました。その時までの自分は、ただ「見ている」だけでした。成功と思ってきた瞬間も、本当は森居に面倒を見てもらっていたり、日下がいてこそだったりしていましたが、その経験を経て「自分でやる時が来たのかもしれない」と思いました。
そこから、月に1週間は地方出張をいれ、ひたすら自分1人で客先を回る時間を増やしました。最初は失注もしょっちゅうでしたが、次第に、少しずつ自力で受注できるようになっていきました。最初の3社のありがたさは今でも覚えていますが、そこから半年で12社受注し、完全にマインドが変わりました。「何しに来たの」とか、「そんなことできるわけないんだよ」とか、未だに言われる時はありますが、絶対めげずに「契約してくれるまで来ます」と言い続けています(笑)。
──セールスとして花開いたのは、奥村の努力が引き寄せたものだと思います。チャンスとは、成果が出ない時に愚直に努力し続けられる人にしかつかめないものだと思います。
ありがとうございます。もともと商社の経理部の経験しかなかったので、全部が手探りでしたが、まったくの未経験で営業をやらせてもらえたことには本当に感謝しています。ただ、やってみて、経理部の経験は、経営DXや管理会計の意義を訴求するようなサービスとの親和性が高く、自分の財産だったんだなとわかりました。何事もチャレンジしないと見えてこないものがありますね。
1年前は、投資家との経営会議の議事録を見ていても、「商談回数が多すぎる」「営業未経験者しかおらずセールス体制がボロボロじゃないか」などと議論されているのを見て、立場がなく頭が痛かったです(苦笑)。
営業支援として参画してくれた外部アドバイザーの存在も大きかったと思います。アドバイザーの方にもらったポジティブな影響の一つには、「アセンドがいかにカッコいい会社なのか」、客観的に教えてもらえたという部分がありました。会社に馴染むにつれ、いつの間にか当たり前に思ってしまっているような会社の強みに改めて気づかせてくれました。課題だった商談回数も、今では平均して2〜3回以内で受注できるようにまでなりました。
運送業を夢と活気のある業界にしたい
──ここから、どんなことを目標にしていますか。
短期的な視点の目標でいうと、セールスのリーダーとしてチームを牽引できる存在になっていきたいです。事業開発という意味で、現在の各社の売上を1.5倍にできるようもっと提案もしていきたいと考えています。
アセンドが提供するロジックスは、単に業務を効率化するだけでなく、業務の中で自然と高品質な物流データが蓄積されてくる点に特徴があります。経理の経験を活かしてデータ活用を基軸とした製品の価値向上にも挑戦していきたいです。
──アセンドで叶えたい夢はなんですか。
20年後に叶えたい夢は、自分が家業を継いで、優秀でやる気のある若者に入社してもらえる姿です。若い人が運送業に夢を感じたり、目指してくれる、夢と活気のある業界という姿を実現したい。そのために、出来るだけ若い間に頑張りたい。それから、アセンドが業界のオピニオンリーダー的な存在になったら良いなと思っています。その姿に近づけるよう、とにかく今は自分ができることをひたすらやる、それだけです。
アセンドに転職してから父親ともよく話すようになったんですが、最近、父親が楽しそうなんです。「アセンド」ってエゴサもよくしているみたいで、アセンドが新聞に載ったりすると、自分のことのように喜んでくれたり、見守ってくれていることを感じます。父親の会社は、僕が子供の時から配車係が変わらずで今70歳になっています。若い人を入れなきゃ、新しいことをやらなきゃと、その人の下に20代の若手社員を配置し始めたりしています。アセンドを起点に感じる「良い影響」を、これからも大切にしていきたいと思います。
枠組みに捉われず、お客様の課題を解決したいという熱い想いを持った仲間を募集しています!
──最後に、これからアセンドに入社を検討頂く方に向けて一言お願いします!
アセンドは「物流業界の価値最大化」というミッションにも表現されている通り、システム導入のみならず、コンサル事業やDXの普及まで含めて、本気で業界変革に挑戦している会社です。
営業メンバーの私のミッションは「必ずしもリテラシーが高くない運送会社を相手にSaaSを提供し長く使っていただく」という泥臭いものですが、ただシステムを売るだけでなく、お客様の経営に関与し長い時間軸で携われる点が最大の特徴だと考えています。
社会課題の解決に貢献したい、営業やCSという言葉の域を超えてお客様に貢献したいという方にはまさにピッタリの会社だと思います。少しでもご興味を持って頂けたら是非お気軽にお話させてください。