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全社一致の認識、「紙には戻せない!」運送会社の現場から、業務のデジタル化の必然性とその先にあった可視化の価値とは

愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県を中心に、全国各地への輸送を展開する株式会社西運は、紙の配車表をデジタル化すべく、数年前に他社のクラウド型のサービスを導入。順調にデジタル化への道を歩んでいましたが、サービスの終了に伴い、2023年にロジックスへと切り替えることを決意。スムーズに移行を完了し、現在は配車機能・労務管理機能を中心に、売上分析まで幅広くロジックスをお使いいただいています。塚本様に、ロジックスを選んだ理由や、サービス活用の体感、今後実現したいゴールを伺いました。

会社情報

  • 社名:株式会社西運

  • 社員数:65名

  • 車両数:60台

  • 業態:愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県を中心とし、地場に特化

  • 商材:自動車部品、飲料、産業廃棄物、一般雑貨、食品

課題と効果

数年前に始まった、業務のデジタル化プロジェクト

──先ずは、会社のご紹介をお願いいたします。
 
塚本様、以下敬称略)平成23年度設立の愛知県名古屋市の運送会社です。社員数は65名・車両数は60台で、2tトラック、4tトラック、大型、海上コンテナなど、種類としては多いと思います。配送エリアは中部エリアを中心に地場に特化しており、運んでいる商材は、自動車部品・飲料・産業廃棄物・一般雑貨・食品と、こちらも広範です。私自身は以前はブライダル業界に長くおり、そこから運送業界に転職しました。社内では、営業からデジタル推進まで、なんでも屋です。

塚本様

──今回、導入をご検討いただけた経緯を教えてください。
 
塚本)紙ベースの配車表をなんとかしたくて、数年前に別の会社のクラウド型の業務管理システムを導入しました。配車表をデジタル化したかったのは、デジタルだと情報の共有度合いが圧倒的に高く、「全員が同時に見れる」という点です。手書きの情報だと、その前にいる1人の配車マンしか見ることができませんが、デジタル化されることで、それを簡単に「共有」できるようになり、会社の状況に対する従業員の解像度が高くなります。今ここの人手が足りないとか、ここがこういう状況だとか、そういった理解ですね。そのサービスは使いやすく重宝していたのですが、昨年でサービス終了が決まったと連絡を受け、代替手段の検討を行い、4〜5社と商談をした結果、アセンドが一番いいのではないかという結論になりました。決め手としては、やりとりをしていて、「こういうことってできますか?」と聞いた時に、対応可か不可となるかの説明をしっかりとしてくれた所です。また、私たちがやりたいことに近づけるために、プラスアルファの提案を入れてくれたり、とても親身になって対応してくれると感じられたのも理由です。

進化し続けるサービスの醍醐味と、導入支援担当者の素早いレスポンス

──実際に、使ってみてのご体感は、いかがでしょうか?
 
塚本)特にいいなと思うのは、もう出来上がっている既製品ではなく、日々進化していくところですね。サービス終了になってしまったシステムは、すでに出来上がっているものであったので、フレキシビリティなどはほとんどなかったのですが、ロジックスを使い始めてからは、こちらからの要望に対するレスポンスの速さも嬉しいです。今は、配車マン、管理者など5〜6人がロジックスを同時に使っており、それぞれから違う要望がその都度出てきます。それぞれの担当者にとっての、「使いやすく」を実現できているように思います。 

紙には戻せない!一致した認識


──導入の立ち上がりのスピードは、企業の間でも差が出るところで、5〜6回と訪問をし、現場説明を重ねることもあります。一方貴社は、一度操作説明をしただけで、ほぼセルフオンボーディングというくらいにスムーズな立ち上がりだったと導入支援チームから聞いていますが、そのあたりの秘訣はなんだったのでしょうか?
 
塚本)他社のサービスがなくなるのが決まっていたものの、それ以前の業務状態(紙ベースの業務運用)には絶対に戻したくなかったので、どの社員も「やるしかない」と思っていたのが良かったのかもしれません。タイムリーに物事を共有できるという価値は前サービスで実証されていたので、これを使っていこうという統一認識が自然と出来上がっていました。また、スムーズに移行できたのは、導入支援担当の方のレスポンスが非常に迅速で、コミュニケーションが容易なことも大きかったです。私が帰宅前にメールで要望を送ると、翌朝には改善され、メールで返事が来ている状態で、1営業日も待たないスピード感でコミュニケーションができています。 

インタビュー中の塚本様

2024年問題・労務管理にも対応

──ロジックスの機能のなかで、どんなものを主にご活用くださっていますか?
 
塚本)営業担当者、配車マンが案件の入力をおこない、配車マンがそれを活用して配車を組むところ、それから労務管理機能も活用しています。以前は、タイムカードの打ち込み、給与への打ち込みは月末に担当者がまとめてやっていましたが、途中経過がわかりませんでした。でも今は、2024年問題もあって、労務状況を月の途中でもリアルタイムに見る必要があります。2024年の法改正というのは、正直運送業界を知らない人が作ったルールだと思っていて、売上も利益も下がることが避けられず、結果としてドライバーの給料も下がってしまうと苦慮しています。だからと言って、完全にレッドカードになってしまうとそれは経営リスクとなってしまうので、法令順守をしつつ、最大限に効率的に稼働できるラインを目指して日々模索しているところです。その意味で、一瞬で状況がわかるロジックスは本当に助かっています。 

「可視化の価値」がもたらすもの

──ロジックスに最も期待してくださっているのは、どういう部分でしょうか?
 
塚本)一言で言うと、やはり「可視化による価値」です。例えば、案件をとってくる営業のパフォーマンスを可視化したいと常々思っていました。そこが利益の源泉だからです。ロジックスと業務の接点は、案件を打ち込むところからスタートするので、これが簡単にでき、管理者の手間がなくなるのがいいですね。
 
塚本)また、ドライバーの事業への貢献状況も可視化したいと思っています。一つの例として、自社の売り上げと、協力会社に走ってもらうところで差益が発生するわけですが、たとえば100万の売上で利益が1万円の仕事より、50万円の売上で利益が5万円の仕事の方が望ましいです。他にも、車両あたりの利益や、ドライバーごとの売上というのも着目しています。当社には10トントラックのドライバーが20名いますが、仕事によっても運賃は違います。それぞれの仕事状況が可視化される例をあげると、仮にAさんとBさんのドライバーがいて、一ヶ月が15日終わった段階で、Aさんは100万の売上、一方Bさんは70万だとすると、その売上を平均化するよう、残りの日数で調整したりすることもできます。どれだけ貢献してくれているのかをタイムリーに知ることで、できることは沢山あります。その全ては、利益に貢献してくれている仕事を適切に報いて評価したい、そういう気持ちとつながっています。

インタビュー中のご様子

塚本)業務をデジタル化することで、社員の業務への解像度を上げ、社内の相互理解を高めるためにロジックスを導入しました。使ってみて、今これから期待をしていることは、「状況を可視化した上で、自分たちがどう実行に移していけるか」というところです。どんな変化を生み出せるか、私個人としても、とても楽しみにしています。
 
──ロジックスの活用を「こんな会社には勧める」、こんな会社には、実は「勧めない」などはありますか?
 
塚本)前職のブライダル業界は、IT化・ペーパーレス化がとても進んでいる業界で、運送会社に転職した時は、「紙」の多さにとても驚いたことを覚えています。依頼書、受注表……そういう個社別の紙があふれていて、紙をめくる音が響いている会社もあるくらいです。そういう業界なので、だいたいどこもアナログだと思うのですが、現状がアナログであってもデジタル化への意欲が高い会社には、ロジックスをお勧めしたいです。一方で、社員数が多くないところは、紙でも回しきれる業務量と情報量かと思うので、勧めない対象でしょうか。社員数が10人未満の会社などです。逆に言えば、一定の規模の会社であれば、確実に情報の可視化によるメリットを感じられると思いますね。