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顧客体験を創る"プロダクトエンジニア"としての成長【ASCEND Stories松本萌花編】

アセンドで働く人たちの成長の軌跡を辿る「ASCEND Stories」。今回はプロダクトエンジニアの松本萌花です。

SIerからアセンドへ転職し多くの新機能開発をリードする松本。"プロダクトエンジニア"として「顧客体験を創る」と意気込む松本に、代表の日下が聞きました。


「雇用を生み出すためじゃない。良いプロダクトを作るために働きたいんだ!」

―――はじめに今までの経歴や歩みを教えてください。

山口県岩国市生まれで、高校までは基本的に岩国で育ちました。新しい環境に身を置いて色々な経験をしてみたいという気持ちは昔から強く、実家から出る許可を貰える距離にあり、且つ興味のあった情報工学部がある九州工業大学に進学しました。

父の仕事の関係で小さい頃から家にパソコンがあり、中学生の頃から独学でWebサイトを作ったりしていました。難しいものではなくて、自分が書いた文章を載せておくだけの個人ホームページみたいなものです。2000年代のインターネットでオタクしていた人なら通った人も多いんじゃないかと思います(笑)。日下は「仕事できる人間は引越回数が多い」とネタみたいな持論を言っていますが、私も東京に来てから5~6回は引越ししましたね。環境を変えながら新しい刺激を受け続けていきたいタイプだと思います。

就職自体は、学部が情報系だったこともありIT系に進むすることは決めていました。そこからさらに、人の役に立つものを作りたい、人の課題を解決する経験が積める仕事をしたいという想いがあったので、プロジェクトベースで非IT業界にシステムを作って提供するというSIerという仕事に惹かれ、東京の大手SIerに就職しました。

―――アセンドでも特に新機能開発を中心に仕事をしている萌花(松本)の背景が良く分かるエピソードですね。就職してからの歩みについても教えて下さい。

プロジェクト自体はたくさんのチャレンジもさせてもらい、そこから多くのことを勉強させてもらった一方で、IT業界の多重下請け構造の現状に衝撃を受けました。私は顧客の課題解決に向き合ったプロダクトを自分自身の手で作り上げるスキルを磨いていきたいと思っていたのですが、いざプロジェクトに入ってみるとシステム要件を検討するチームは別部署にあり、コーディングも開発パートナーのベンダーさんが中心。私の仕事は基本設計と大量のコードレビュー、タスク管理と進捗管理がメインのプロジェクトマネジメントでした。それでも質の高いモノづくりに関わることができればという気持ちもありましたが、パートナーさんには技術力が十分ではない人たちも多くいました。

良いプロダクトを作るためには一定以上の技術力は必ず必要です。当時の上司にも、「パートナーさんたちに対してもっと勉強会や教育への投資をして品質を上げていかなくてはいけない」という趣旨の提案をしました。これに対する上司からの回答は、「私たちの仕事は、あまりレベルが高くない人でも、ある程度の品質のシステムを継続的に作れるような仕組みと体制を作ることであり、それが雇用を生み出すことにも繋がっている」というものでした。社会人になって初めての衝撃というか、社会の現実を知った気がしました。

正直、「雇用を生み出すためにシステムを作る」は順序が逆だし、この気持ちで前向きに仕事に取り組めるとは思えませんでした。良いシステムを作ることが、結果的に社会をより良く回して良い雇用を生むという循環を生み出すはずだし、私が全力でコミットするならそっちだと思いました。「雇用を生み出すためじゃない。良いプロダクトを作るために働きたい」。そして、良いプロダクトを作り、お客さんや社会の課題を解決していく、そのためにエンジニアという職業があるという想いは、今もなお強く思っています。

インタビュー風景

想いを軸に有機的に繋がる会社

―――熱い名言をありがとうございます。そこからアセンドに転職することになる経緯についても教えて下さい。

CTOの丹羽さんとは前職からの知り合いで、以前からたまに1on1をさせて頂いていました。同じ部署ですがチームが違うという斜めの先輩で、エンジニアリングの意義やエンジニアとしてのキャリア作り、仕事や職場への不安など、様々な相談に乗って頂いていました。

そんな丹羽さんが前職を退職し、久々に連絡が来たと思ったら「スタートアップのCTOになったんだけど、よかったらオフィスに遊びに来てみない?」と。純粋に面白そうだったし、コロナ禍でフルリモート勤務になって2年、人と話す機会が激減していたこともあり、そろそろ新しい人と喋りたいなくらいの気持ちでオフィスに伺いました。大手に勤めた経験しかなかったので、当時マンションオフィスだった職場を見て「すごい、ベンチャーっぽいオフィスだ!」と感動したのを覚えています(笑)。その後、色々言いくるめられて、まずは副業としてアセンドに参加することになりました。

―――実際に副業をしてみてどのようにアセンドをみていましたか。

これは皆さん言っていることと重複しますが、やっぱり「代表が熱いな」というのは率直な感想でした。ただ、ベンチャーは安定してないし制度も整っていなさそうだなと、最初は比較的ネガティブに捉えていました。厳しい環境の中で独力で頑張っている個人の集まり、というイメージでしょうか。

それが、実際に中に入ってみると全然違うことに気づきました。代表の想いを軸に全員が有機的に動いていて、人事制度や会議体の設計等、その思想や意思が反映された制度もしっかり整えられている。大手と比べると社長という個人の色が強い面はもちろんありましたが、「小さいだけですごく意思のしっかりした”普通の会社”だ」と、良い意味でイメージが変わりました。

他にもBizチームの優秀さや、難しい領域なのにお客さんをしっかりファンにしている事業や製品自体の魅力、エンジニアが価値創出に集中できるようにという意図を込めた技術選定など、エンジニアとして理想的だなと思える要素がたくさんありました。まさか自分がベンチャーに転職することになるとは思っていませんでしたが、「ここなら良いプロダクトを作れそう」と純粋に思えたことが、転職を決意した一番の理由です。

マンションオフィス時代、新機能リリースを祝した1枚

顧客体験を創る"プロダクトエンジニア"という仕事

―――素敵なエピソードをありがとうございます。入社の経緯までをお伺いしてきましたが、アセンドが提唱している"プロダクトエンジニア"という概念やその実際の働き方についても教えて下さい。

”プロダクトエンジニア”という用語は聞き馴染みのない人も多いかと思いますが、アセンドでは次のように定義しています。「プロダクトエンジニアはフロントエンド・バックエンド・デザイン、そしてあらゆる領域を越境してプロダクトのあるべき姿を構想し、優れた顧客体験を生み出します。」(この点についてはアセンドのCTOの丹羽さんが執筆したNoteに整理されています。)

アセンドは運送業に特化した基幹システムを提供するという性格上、業務ドメインへの専門性が高く求められるため、一人のエンジニアが一人格で仕様検討から実装・運用までを担う、"フルサイクルエンジニア"という開発思想を取り入れていました。これはシステムのレイヤーや言語によって開発者を分けるスキル軸の配置ではなく、顧客への提供価値を軸とした開発体制です。

そこから敢えて"プロダクトエンジニア"という言葉にアップデートしていったのは、エンジニアの責務を、エンジニアリングだけに留めず、顧客に価値を届けること全般へと拡大するという意志をより強く込めたかったからです。フロントエンドやバックエンドといったシステム開発上の領域はもちろん、デザインやビジネス、業界知識の領域にまで自ら染み出し越境することで、エンジニアリングという専門知を最大限活かしたプロダクト開発をする。私も、労務領域の開発に着手する際には法律の勉強から始めました。そういった動きができるエンジニアを増やしていきたいという思いが込められていると思います。

―――素人にも分かりやすい説明をありがとうございます。そもそもフルサイクルという定義自体が、仕様策定・設計・実装・運用を一人格で担保するので、これだけでも従来のシステム開発から比べた時の進歩だと思います。そこからさらに進めて、業務自体を良くしていく志向性を持つ点が最もユニークな点と理解しました。

そうですね、私もアセンドでエンジニアとして働きだした当初は、仕様策定から自分の責務になるならそのために業務や顧客に詳しくならないとな、という程度の感覚でした。ただ、このプロダクトエンジニアという概念を丹羽さんが唱えだしてからは、認識も少しずつ変わっていったと思っています。それは、私の仕事は要求に応じて仕様をただ考えるのではなく、 ユーザーが思うユーザー自身の仕事・業務を再整理・再定義して、新しい認知の形を作り、それをプロダクトという形で提供し、浸透させていくものなんだ、ということです。

もう少し言いますと、我々が行っていることは、狭義のシステムを提供することではなく、モノや人や情報が動く流れを設計し、その体験の総体をソフトウェアとして販売していくことです。こう考えると、顧客や業務への解像度を上げるだけではエンジニアとしては全然足りなくて、そもそも社会や会社自体がどういう仕組みで回っているんだっけとか、業界標準やそこに至った歴史的経緯だったりとか、物流業界だけでなく他の業界事例だったりとか、そういった俯瞰的な知識や目線も欠かせません

もちろん現時点ではまだまだ力不足ですが、私は「人の役に立つものを作りたい、人や社会の課題解決ができる仕事」をしたくてエンジニアという職種を選んでいますし、アセンドが提唱するプロダクトエンジニアという責務の持ち方は素晴らしい考えだと思っています。これからも最高の顧客体験を創り出していくために、日々の仕事に向き合っていきたいと思います。

インタビュー風景

エンジニアリングの域を超え、素晴らしい「顧客体験」を創造する仲間を募集しています!

──最後に、これからアセンドに入社を検討頂く方に向けて一言お願いします!

日本の中で最もデジタル化が遅れた産業、それが物流業界といっても過言ではありません。そんな物流業界に切り込み、SaaSを浸透させ、業界を再び活性化させていくという道のりは簡単ではない。これは内部にいる私達が一番痛感していることです。でも、だからこそエンジニアリングの価値を最も発揮するべき場所でもあり、できること、求められていることがとても多い、みなさんが想像するより数倍楽しくて刺激的な環境だと思います。

アセンドプロダクトチームのロードマップはまだまだ序盤です。共に素晴らしい顧客体験を作り上げることに共感してくれる仲間を求めています。少しでも興味を持ってくださった方は、カジュアル面談で気軽にお話できる場所も用意しています。ぜひお待ちしております!

アセンドポーズ

インタビュー・編集後記

今回はプロダクトエンジニアとして次々と新機能リリースを繰り出す萌花のインタビューでした。「良いプロダクトを作るために働きたい」という想いでSIerからアセンドに転じた萌花は、アセンドで顧客体験を創る「プロダクトエンジニア」という仕事に出会い、その才能を大きく花開かせてくれている一人です。デジタルに対する抵抗感が強い業界だからこそ、システムという手段ではなく、顧客の体験にフォーカスした開発思想は強く求められ続けていくことと思います。もちろんその反面として、フロント・バック・インフラといった領域はもちろん、時にはビジネスサイド間で含めた越境的な動きが求められてきますが、「良いプロダクトを作りたい」という素朴な気持ちこそが、その支えになることと思います。プロダクトエンジニアとして物流業界自体の活性化に寄与していく、素晴らしい志を持った仲間に恵まれたことに改めて感謝いたします。業界体験の向上に向け、一緒に精進していきましょう!(了)

日下瑞貴

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