Incubate Fund和田さんとの対話

先日Incubate Campのお疲れ会の場にて、Incubate Fund和田さんとお話しする機会を頂きました。ここ最近で一番学びが深かったので、シェアさせて頂きます。文脈がないと伝わらないところもあると思いますが、気になる点等あればコメント頂けますと補足致します!和田さん、めちゃくちゃありがとうございました!(なお弊社は和田さんとは資本関係等はなく、ピュアに素晴らしい議論を共有して頂きました)

SaaSの掛け算

SaaSが資本市場で評価されるのはRecurringの安定収益。しかし現在の主流はRecurringにプラスαのビジネスモデルであり、大きく分けて3つに区分される。Service:プロフェッショナルサービス(コンサル、SI等)、a BOX:ハードウェアの販売Marketplace:トランザクションベースでの手数料収入。特にVertical SaaSの場合はHorizontalと比較してTAMが一定程度限定されるため、別の財布・ビジネスモデルに対する期待は高い。

文化の形成と人事の採用について

現在頻りに議論されているカルチャーコードやCredoは本来人事担当者の入社前に作るべき。文化を創るのは創業メンバーの仕事であり、それを育み・伸ばしていくのがCHROの仕事。文化の創造はある種一過性の側面もあり、それ以上に大切なのは日々の運用と実践。

CxOの考え方

役職ではなくロールで正しく定義すべき。例えばCTOと一口に言っても技術力・PM能力・採用力といったように細分化されるし、CFOでも戦略・管理・資本市場との対話と細分化されるはず。すごいCxOは稀に外れ値としているが、そんな人は例外であり、ロールで正しく判断すべき。

ディフェンスの大切さと難しさ

これは和田さんの真骨頂とも言えるお話でした。「迷信に聞こえるかもしれないけど…」と前置きを置きながらお話頂いたのは、「成長の角度と減退の角度、登るスピードと落ちるスピードは同じ」ということでした。和田さんが社外取を務められていた会社は、非常に有名な会社で複数の会社で修羅場をくぐられてきており、発言の重みが段違いでした。

ある会社は昨対でリアルに100xの成長を遂げており、兎に角勢いがすごく、その勢いを止めることは極めて難しかったと。成長の歪みで起こるリスクについてはもちろん認識し、対策を打つものの、それが本当に「経営メンバーの資源を投下した対策」でない限り十分でないと。

ではリスクの対処は誰の仕事か。特に成長することが使命のスタートアップにおいて成長とリスクを同一人格の中でコントロールすることは可能なのか。やはり、「事業のアクセルとブレーキを一人の人格の中では両立できない。社外取締役でグレイヘアの人材を入れるのが1つの処方箋。」とのことでした。

なるほどと思いつつも、これでは上記の議論と同じであり、内部としての対策は不可能なのか更に深堀りさせて頂いたところ、会社における「動脈と静脈」の話を頂きました。バリューを描く時、人は動脈を描くことが一般的だし、それは正しい。しかし、動脈にだけこだわると、リスクを認識しづらくなる・予見能力が下がる。一つでもいいから静脈の議論(コレはやっちゃいけないよね、というネガティブなもの)を入れること。あるいは、ひたすらディフェンシブなことをひたすらやる四半期を作っても良いかもしれないとのことでした。要は「同一人格でできない」という点が肝であり、人格・文化・時期といった観点で明確な区切りをつけて取り組まないと意味のあるディフェンスの議論はできないという話だと思います。

まだまだ書ききれていない点も多いですが、30~40分の時間でこれだけ多くの学びを与えて下さった和田さんには本当に感謝です。また、学びの機会を頂きましたIncubate campの運営メンバーの皆さま、めちゃくちゃありがとうございました!!

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